飛行機を飛ばしているのはパイロットだけなのか？
今、東京―大阪間を飛行機で移動した場合の所要時間はおよそ1時間10分です。
ところが、1960年代半ばの全日空のボーイング727の広告には、なんと30分と書いてあります。
これは、所要時間ではなく実際の飛行時間のことだと思いますが、それにしても速いですね。
なぜ、そんなことが可能なのかというと、当時は計器飛行をオフにして、パイロットの判断で最短距離
を飛べたからです。それだけ、飛行機の数が少なくて、パイロットには大きな権限が与えられていた
時代だったということです。
もちろん、今はそんなことは許されません。羽田上空で飛行機が渋滞を起こす時代です。航空交通管制
システムによって、安全に管理されています。
現代のパイロットは、管制官や整備士などの地上スタッフたちと連携して、安全な定時運航を実現する
チームメンバーとして機能しています。
EC時代に撮影現場を動かしているのは？
同じことが撮影の現場でも起こっています。
かつて撮影の現場の中心はカメラマンでした。
しかし、ECが急成長して撮影点数が急増した今、撮影現場で重要なのはバックヤード、
つまり裏方の機動力になりました。
ECの撮影現場では日々、とんでもない数の撮影サンプルが入ってきます。その入出庫を管理して、
撮影からデータアップまでを予定通りに進めるためには、アナログなやり方では限界があります。
裏方の機動力を最高度に高めるシステムが不可欠なのです。
今回、ご紹介するのは、このバックヤード業務に欠かせない基幹システムについてです。
有名スポーツブランドのサンプルを一手に管理
クライアントは世界的な人気を誇るスポーツブランドです。同社では毎シーズン、フットウェアとアパレ
ルを合わせて600SKUを越える商品サンプルが発生します。これらのサンプルはEC撮影用だけではな
く、広告やプレス用など多くのメディアや部門に貸し出されます。
貸したり返したりの管理も面倒ですが、送り間違いや紛失が発生すると時間的コスト的に大きなロスが
発生します。そこで、EC撮影を担当している当社が、サンプル管理もすべて引き受けることに
なりました。サンプル保管場所は、東京港区にある当社スタジオに専用スペースを確保し、
基幹となる管理システムには、当社が独自に開発したクラウド型撮影進捗管理システム「SOX」が
採用されました。
サンプル管理のノウハウを詰め込んだ「SOX」
「SOX」は、顧客から提供された商品リストを取り込むと撮影管理シートに変換されて、商品サンプル
に貼り付けるQRコードを自動生成する仕組みです。
仕組みとしてはシンプルですが、ここには当社の永年のノウハウが詰め込まれています。
どこのスタジオでも、サンプルを管理するための人手と時間は限られています。
そんな中で、よく似た大量の商品群の中から目的のものを探し、リストと照合し、撮影した後にはデー
タを正しく納品しなくてはなりません。
ここで間違えると、最終的にECサイトのユーザーに迷惑がかかり、ECサイトの信頼性を傷つける恐れが
あります。いくら魅力的な写真が撮れても、写真が違っていてはお話になりません。「SOX」は効率化
だけではなく、正確さに対しても有効な仕組みです。 そういう意味で、「SOX」は航空業界における航
空管制システムのようなものと言えるでしょう
［「SOX」の基本的な機能 ］
１．商品管理
QRコードを用いてスマートフォンで入出荷検品できます。
いただいたリストに基づいて、商品貼り付け用のQRコードを発行します。お手持ちのスマートフォンで
読み取りできるので、スピーディーに操作できます。
２．在庫管理
どこから来たのか、どこへ出荷したのかが記録されていますので、スマートフォンとQRコードで在庫の
状況が一目でわかり、ミスのない情報管理を行うことができます。
３．コーディネートシート作成
QRコードを用いて面倒なコーディネート組みの管理もできます。
写真の添付、商品情報の入力がスマートフォンだけで完結し、PCでの編集が必要ないため、時間が大幅
に短縮。PDFにデータを書き出すこともできます。
４．クラウドシステム
クラウドシステムなので、クライアントとスタジオの双方でサンプルの状況や撮影の進み具合を共有
することができます。
その時代にフィットするシステムが必要
今まで、電話やメールでサンプルの所在を探し回って、やっと届いたと思ったら、色が違ったり、漏れ
があったりしてガックリ、なんてことがなくなります。何よりも撮影がスムーズに進み、画像データ管理
のミスが減ります。これは、ECサイトの信頼性を高める大きなポイントです。
撮影用サンプル管理でお悩みのことがありましたら、まずは当社にご相談ください。
プロペラ機がジェット機になったくらいの改善が期待できます。
