動画は詰め込み過ぎないのが正解
ECサイトにおいて、動画はもはや不可欠な存在です。
動画のもつ圧倒的な情報量とエモーショナルな訴求力がユーザーの購買意欲を一気に高めるからです。
しかし、世代間による動画視聴傾向の違いを押さえておかないとせっかくの動画が効果半減となりかね
ません。動画=情報量が多い=なんでも詰め込む、という考えはターゲットの世代によっては禁物かも
しれません。
動画こそ、狙う効果を絞り込んで、短くてもキレのよいものにすべきです。
サブスク世代の驚きの感覚とは
「ロックはやっぱ、イントロのギターリフだよね。
『サティスファクション』、あの出だし、聞いただけで一気に上がるねえ」
この感覚、レコード、CD世代には十分共感できますが、サブスク世代には「はぁ?」かもしれません。
映画やドラマを倍速で見る若者の生態が最近の話題ですが、音楽では「イントロ抜きで、
いきなりサビ」という聞き方がまん延しているのだとか。
聞き放題、見放題が当たり前の時代、若者は時間が惜しいのです。 ネットショップのプロモにおいて、
若者をターゲットにするなら、これは押さえておきたい課題です。
あえて若者をターゲットにしたゴルフグッズの場合
今回取り上げる事例は、ヤマハのキャディバッグの商品説明動画です。
ゴルフというとターゲットは年配というイメージですが、これはあえて若者をターゲットにしました。
新型コロナウィルスが蔓延する中、「密」とは無縁のゴルフが若者の注目を集めました。
「おじさんのスポーツ」と思っていたが、やってみたらゴルフ場は気持ちいいし、
ゲームとしても面白い。ということで、若者たちのゴルフ人気が急増です。
とはいうものの、道具にこだわる年配世代と違い、若者は見た目のオシャレさや軽い雰囲気が
なによりも大切。
通常なら、機能性やゴルフ場での使用イメージを見せるところでしょうが、
ここではバッグのカッコよさに焦点を絞り込みました。
ロケではなくスタジオで撮影し、エッジの効いたバッグのフォルムと鮮やかなカラーリングを
強調しました。
ブランドロゴのアップから始まり、短いカットをリズミカルに編集。30秒ほどの動画ですが、オレンジ
とブルーのグラデーションを配して、アパレルファッション的な感覚で、オシャレに敏感なターゲットを
ひきつけます。
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イメージ重視でもリーズナブルな制作費
商品詳細動画をあえて説明的ではなく、イメージ重視で制作したことがポイントです。
イメージ重視の動画制作は時間とコストがかかる印象ですが、この事例はコストも時間も
とてもリーズナブルです。
それを可能にしたのが、今回撮影で使用したLEDのチューブライトです。
動画制作で費用がかかる要因のひとつがライティングです。
瞬間的な発光でOKの写真撮影と違って、動画は強い光を広範囲に出し続けなくてはなりません。
チューブライトはLEDの特性を生かして、強い光を出すだけではなく、明るさと色調を可変できます。
今回の事例の背景色はチューブライトの色変換機能を使ったものです。
これにより、手軽な設定で表現力豊かな映像が手に入ります。 コストとスピードが要求される商品動画
ですが、その要求を満たしながらも、ここではターゲットの感覚をしっかり捉えるイメージ訴求に成功
しています。
技術の進歩で表現力を高める
映像の表現力は感性だけでなく、技術の進歩で飛躍的に高められてきました。
今までは無理、と思っていたことが意外に簡単にできるケースも。
ブランドイメージを変えたいとお考えなら、最新技術を試してみては。
そうそう、音楽のイントロ抜き問題ですが、ビートルズの名曲の多くがイントロぬきです。
「Can’t Buy Me Love」「Help!」「Hey Jude」‥。
半世紀前の45回転シングル世代も負けてないです。